ハイエンドな混植混醸ヴィーニンガーのゲミシュターサッツ
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オーストリアの首都ウィーンの名産ゲミシュターサッツ(混植混醸)の地位を引き上げ世界に知らしめた、ウィーンの英雄的存在。
約100年前を振り返るとそのワインの大半はこの製法にて造られた白ワインでした。
当時は名声を得て、ウィーンが誇るワインとして確固たる地位のあった銘柄でした。
しかしながら、60年代から70年代にかけて潤沢な観光産業向けの大量消費用ワインへと姿を変えていくのです。
その輝かしい歴史の復活を目指しているのがこのヴィーニンガー醸造所です。
もともと現ご当主のフリッツ・ヴィーニンガーは、カリフォルニアで修行をし、ウィーンに戻って樽熟成のシャルドネで成功をおさめ、「ミスターシャルドネ」とも言われるほどの地位を確立します。
そんな成功の中、1999年より念願であったウィーンの街が一望できる最高の畑ニュスベルクを譲り受け、シャルドネをはじめとした単一品種でのさらなる飛躍を考えていたところ、ニュスベルクで初年度に実験的に造ったゲミシュターサッツのワインがあまりにも高品質だったため、考え方をあらため、古き良きゲミシュターサッツの復興に着手するようになります。
観光客向けの安価なワインのイメージから脱却するために、今までにない高品質なワインを造り続け、積極的に啓蒙活動を行い続けた結果、ウィーンは世界に名だたるゲミシュターサッツ里と認知されるようになったのです。
そしてついにヴィーニンガーさんの10年以上にわたる尽力により、2013年にはウィーンのゲミシュターサッツはDAC(原産地呼称)として認可されるまでになりました。
【混醸混栽】
1つのエリアにバラバラに植わっている複数の品種を、早熟品種・晩熟品種関係なく、時期を見極めて同時期に収穫、同時に醸造する農法。かつては様々な品種を植えることでのリスク分散を目的としていましたが、近年ではぶどう品種の個性に依らないテロワールの表現方法として注目されています。
ワインの味の方向性を決める際は、そのエリアの各品種の作付け面積でコントロールしています。
また、そのヴィンテージの特徴が顕著に表れるため、非常に生産者の手腕が問われる農法とも言えます。