生ハム・シャルキュトリーと合わせるワイン3本セット

生ハムをはじめとするシャルキュトリーの文化は、日本にはこれまでなかなか存在してこなかった食文化です。日本人が長い歴史の中で魚の加工技術を磨き上げ、沢山の素晴らしい魚の加工食品を生み出してきたのと同じで、ヨーロッパでも長い肉文化の歴史の中で、肉の加工技術を磨き上げ、多くの加工肉食品を生み出してきました。そしてそれらはワインの文化と共に磨き上げられてきたものであり、ワインとの相性は素晴らしいものがあります。今回はシャルキュトリーの中でも生ハムを中心に据え、現地で実際に良く合わせるペアリングを楽しんで頂けるセットをご用意いたしました。

生ハム・シャルキュトリーと相性の良い3つのワイン

・ランブルスコ

この文章を書いている2024年1月現在でアフリカ豚熱（ASF）の影響でイタリアの生ハムが輸入できない状態が続いておりますが、イタリアのプロシュートとその産地として有名なパルマ近郊で造られるランブルスコという赤の発泡性ワインの組み合わせ。これは昔からイタリアで愛されている定番の組み合わせで、ランブルスコのフルーティさとプロシュートの塩味の対比でいくらでも食べられてしまう素晴らしいペアリング。以前テレビで流れていた生ハム生産者の特集でもラストのカットとなっていた、綺麗な牧場に机を出して生ハムとランブルスコを愉しむ老夫婦のワンシーンは今でも強く印象に残っています。

・マルヴァジア

2つ目は同じくイタリアのマルヴァジアとのペアリング。こちらはイタリアに滞在していたソムリエの方から聞いたペアリングで、生ハムとマルヴァジアはイタリアでは定番の合わせ方。イメージとするとアロマティックでフルーティな香りが特徴のマルヴァジアをメロンに見立てて、生ハムメロンの感覚で合わせるペアリングです。生ハムの塩味と、マルヴァジアのアロマティックな風味の相性は素晴らしく、生ハムメロンかどうかは別として非常に相性の良い組み合わせです！

・ガメイ

そして最後はフランスのボージョレのガメイとシャルキュトリーのペアリング。こちらもシャルキュトリーがブルゴーニュの名産ということもあり、産地で合わせる伝統のペアリングの一つとなります。ピノ・ノワールとは異なる温かみのある果実感と肉付き、軽いスパイスを感じさせる香り、さらに鉄分を感じさせる風味が加工肉との相性の良い由縁ではないでしょうか。

セットの内容はこちら

久々に出会えたおススメのランブルスコ。鮮やかな紫の色調で泡はカジュアルで細かい。生のブルーベリー、ブラックベリー、クランベリー、スミレ、スパイス、ハーブ、苔などフレッシュな香りとスパイシーな香りが混じった複雑さも持つランブルスコ。飲むと適度に細かい泡が心地よく、フレッシュな黒系の果実の風味が立ち昇る。アフターに舌の両側に残る旨味を伴う優しい酸が特徴的で、この旨味と生ハムの旨味が心地よい相乗効果を生み出します。適度なタンニン分がアフターをさっぱりとさせいくらでも食べられてしまう定番ペアリング。

まるでレモンティーのようなアロマティックな香りを放つバジリカータ州のワイン。他にもジャスミンやメロンのアロマがあり、生ハムの塩気と豊かなアロマがまるで生ハムメロンを思わせるという定番のペアリング。アロマティックながら重心の低い旨味を持つワインであり、見事に生ハムの旨味と調和した心地よいハーモニーを奏でてくれます。

エネルギー溢れるガメイを生産する自然派の生産者。豊かな赤い果実の中に、しっかりとコクを感じさせる黒系の果実、さらにナツメグ、クローヴなどのスパイスや大地のニュアンスが感じられる旨味溢れる1本。加えてガメイらしい鉄分のニュアンスもあり、より肉肉しいシャルキュトリーと相性が良いワインです。