ドイツを代表するピノの作り手。上品でありながら心地よい芳香を放つ優しいピノはドイツならではの個性に溢れています。
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ベッカー醸造所のあるシュヴァイゲン村はファルツの最南端に位置します。フランスとの国境線に位置するがゆえに、第二次世界大戦後、荒廃して焼け野原になったシュヴァイゲン村の復興を支え、ぶどう栽培農家をまとめ上げて一大協同組合を立ち上げたのが、フリードリッヒ・ベッカー氏の父でした。
戦後、甘口ワインを造る技術に長けており、造れば造るほど売れていた時代、協同組合の主力ワインも貴腐ワインでした。フリードリッヒ・ベッカー氏はそんな南ファルツの一大協同組合の跡取りとして期待されていましたが、石灰岩が隆起したシュヴァイゲン村の土壌と寒暖差のある気候に可能性を感じ、自らが愛するピノ・ノワールに打ち込むために、周囲の猛反対を押し切って1973年に独立。ゼロからのスタートとなりました。
当初、貴腐ワイン用の甘いぶどうばかり生産していた他の生産者からは「酸っぱくてまずいぶどう」のレッテルを張られ(この時の逸話を童話「ぶどうとキツネ」に重ねて個性的なエチケットが誕生しました)激しい非難を浴びながらも、不断の努力とセンスにより、ドイツのピノ・ノワールのトップに上り詰めました。そしてゴーミヨ誌にて前人未到の8回に渡る最優秀赤ワイン賞を受賞、ドイツのみならず、世界に名だたる生産者となりました。