3つのクリュ・ボージョレを同一生産者で飲み比べ!
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ガメイ種のポテンシャルを最大限に引き出すボージョレ地区最上のテロワールである10のクリュ。それぞれのクリュがガメイという品種の魅力を色んなスタイルで表現します。今回は10のクリュの中からモルゴン、ムーラン・ナ・ヴァン、ブルイィの3つのクリュをピックアップして飲み比べ。それぞれの標高や土壌などを確認しながら、その特徴をじっくりと比較試飲していただけるセットとなっています。
ガメイの真髄に迫るクリュ・ボージョレ飲み比べ3本セット
ボージョレと言えば、まずは多くの人がボージョレ・ヌーヴォーを思いつき、あのフレッシュで軽い味わいを想像するのが普通かもしれません。しかし、ボージョレのワインの本当の魅力がヌーヴォー(新酒)ではなく、しっかりと時間をかけて作られたワインにある、ということを知っているのはほんの一握りの方です。それ故、ヌーヴォーの軽いイメージから、素晴らしいボージョレのワインを避けてしまっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回はボージョレのワインの中でも最高峰と謳われる10のクリュのワインのうち3つをご紹介いたします。ボージョレの10のクリュはそれぞれがガメイ種というブドウを最大限に生かし、そのテロワールのもつ個性をしっかりと表現します。そのそれぞれの個性の違いをしっかりと飲み比べることでクリュ・ボージョレ、ひいてはボージョレのワインの素晴らしさを捉えていきましょう。
クリュ・ボージョレとは
ボージョレには12のAOCが存在し、最も広大なアペラシオンであるAOCボージョレとボージョレ地区の北部に集中するAOCボージョレ・ヴィラージュ、そしてボージョレ地区北部のソーヌ川に沿って存在するこの地区最高のテロワールを持つ10のクリュが存在します。南側からブルイィ、コート・ド・ブルイィ、レニエ、モルゴン、シルーブル、フルーリー、ムーラン・ナ・ヴァン、シエナ、ジュリエナ、そして最北端のサンタムールと続きます。これらはクリュごとに異なる個性を持っていて、一定の共通点を持ちつつも異なるアプローチでガメイという品種のポテンシャルを最大限に発揮させることのできる素晴らしいテロワールを持ちます。今回はボージョレを代用する生産者の一人であるドメーヌ・ピロンのブルイィ、ムーラン・ナ・ヴァン、モルゴンの3つに絞って比較をしていきましょう。
ボージョレ地区全体の地図とクリュ・ボージョレの拡大地図
DOMAINE PIRON
古く16世紀からモルゴンでワインの生産を行ってきたピロン家のワイン生産を引き継いだ、ボジョレー生まれのジュリアン・レヴィロン。熟成向きの質の高いクリュ・ボジョレーの生産に力を注いでいます。伝統的なクリュは、よりしっかりした構成を持ち、フルーティーでミネラル感あふれる味わい。一つの品種、テロワールの多様性、クリュ・ボジョレーの中で最もよい土壌、生物多様性と自然の尊重、健全でよく熟したブドウ、手摘み、表現力を追求した醸造、丸みとピュアさ、個性とエレガントさをもったキャラクターのあるワインを生みだすこの地を代表する生産者。
DOMAINE PIRON BROUILLY ブルイィ 2019
クリュ・ボージョレの中でも一番南に位置するブルイィ。中心にブルイィ山があり(コート・ド・ブルイィ)、その周辺を囲むようにブルイィの畑が広がっています。斜面は中程度の傾斜で、標高は200m~525mほど。面積はクリュの中で最も広く、その下層土は主に花崗岩ですが表層部は土壌が広がります。
このワインは東向きの急斜面に位置する9haの区画で樹齢は60年、標高は310~380メートルに位置します。石英の結晶で覆われた花崗岩がこのワインに他とは異なる個性を与えています。
ブルイィのワインの特徴はフルーティさと繊細かつ適度な肉付き。素直な果実味がカジュアルに、まろやかに広がります。ガメイの持つフルーティさをしっかりと生かしつつ、繊細に広がる豊潤さを持ち合わせており、非常に近づきやすく、ウェルカムな印象のするクリュ・ボージョレです。
ワイン名:ブルイィ 2019年
品種:ガメイ
樹齢:60年
テロワール:標高は310~380メートル 石英の結晶で覆われた花崗岩
熟成:コンクリートタンクで熟成
コート・ド・ブルイィ(ブルイィ山)とブルイィの畑
DOMAINE PIRON MOULIN-A-VENT ムーラン・ナ・ヴァン 2020
クリュボージョレの北東部側に位置するムーラン・ナ・ヴァン。クリュのほとんどが南東を向いているという恵まれた立地を持ち、緩やかな傾斜とクリュの中では低い標高が特徴です。またこのクリュには名前にもなっている風車が残っていて、常に風が吹き畑が衛生的に保たれる土地であることがわかります。大部分が花崗岩と風化した砂の斜面と、粘土質の山麓部分に分けられますが、東側には泥灰土の土壌も存在します。
このワインは、実際のムーラン・ナヴァン(風車)に程近 いシェナ村で栽培されています。南/南東向きの畑でマンガンが豊富なシルト土壌がワインに個性、ストラクチャー、エレガントさを与えています。
ムーラン・ナ・ヴァンの特徴としてはまずそのスケールの大きさがあげられ、肩幅の広い大柄なシルエットが感じられます。赤いフルーツの香りにもしっかりとしたボリューム感と厚みがあり、ブルイィのカジュアルさとは反対の威厳を感じることのできるワインとなっています。
ワイン名:ムーラン・ナ・ヴァン 2020年
品種:ガメイ
樹齢:75年以上
テロワール:南/南東向きの畑でマンガンが豊富なシルト土壌
醸造:セミ・カルボニック・マセラシオン 50%をオーク 樽で数ヶ月間熟成
ムーラン・ナ・ヴァンを象徴する風車
DOMAINE PIRON MORGON COTE-DE-PY モルゴン コート・ド・ピィ 2019
クリュ・ボージョレの中央に位置するモルゴン。ブルイィに次ぐ面積を誇り、西側は花崗岩が主の土壌、東側のコート・ド・ピィの東斜面周辺ではピエールブルーと呼ばれる青い火山岩の土壌となり、さらにその周辺には沖積土が広がります。
このワインは標高200~300メートル、50年を越す樹齢のブドウ樹から造られ、酸化鉄を多く含む、風化した花崗岩の下層土のテロワールを持ちます。
モルゴンの特徴としてはまず骨格とミネラル。何よりもまずしっかりとした締りが感じられ、それに沿って凝縮感のある果実味が構成されるイメージ。豊かさとコクを持ちながら、一本芯の通った凛とした構造が特徴で、よりスパイシー。ブルイィともムーラン・ナ・ヴァンとも明らかに異なる質感を見せます。長期の熟成にも耐える力を持ったワインでもあります。
ワイン名:モルゴン コート・ド・ピィ 2019年
品種:ガメイ
樹齢:50年以上
テロワール:酸化 鉄を多く含む、風化した花崗岩の下層土
醸造:一部を除梗。最良のタンニンを抽出するために15~20日間の発酵。丸みを出すために30%を木 樽(大樽Foudreと小樽Futs)で熟成
ラベルにも描かれたコート・ド・ピィの畑と大木