まっさらで飾り気なし、すっぴんのワイン
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添加物も、ポンプも、そしてオーク樽すらも使いません。自らオーガニックで栽培したブドウをシンプルに発酵して詰めただけ。ブドウそのものの力強さ、どこか懐かしいような香り、にじみ出るうま味。
ルーツであるシチリアでの経験
サムはイタリア・シチリア島から西オーストラリアへと移住してきた家系に生まれ、2008 年にアデレード大学を卒業し醸造学を修めた後カリフォルニアのワイナリーで働いていました。自らのルーツでもあるシチリアで造られるフランク・コーネリッセンのワインに出会うことで人生最大の衝撃を受けます。すぐさまコーネリッセンで働きたいとコンタクトを取るも断られ、粘りながらやっとOKをもらった彼は飛ぶようにシチリアへ移り住み、2014 年までの期間をエトナで過ごします。「そこで彼らが造っていたのはまさに Living Wine=活きているワインだった。自分もこんな風に自然を写し取ったかのような美しいワインを造りたいと思ったんだ」
オーク樽も持たない
2014 年にはシチリアを離れ、西オーストラリア州マーガレット・リヴァーへ戻り自身のレーベル SamVinciullo / サム・ヴィンチューロを設立。2022 年には 6.5ha の畑がある土地を借り、隣接するように醸造所も建設。さらに羊や鶏といった家畜も含めた包括的かつ循環的な農園をスタートさせました。
現在の畑に植えられているブドウは全て自根。栽培は全て無灌漑で行われ、ビオディナミのカレンダーに基づき管理されています。収穫時は房単位でサムのチェックを経て隣接している醸造所へと運ばれ、人の手足で潰し自然醗酵。その後バスケットプレスによって得られたジュースは全てステンレスタンクへ。無添加のまま、ワインがしっかりと安定した段階へ入ったと感じることができたらステンレスタンク下部に備え付けられたバルブに”直接”ボトリングマシーンを取り付けます。ラッキングも行わないため、ワイン内に自然に含まれるガスを可能な限り失わないようにできるそうです。工程は全て重力を利用したフローが採用され、ポンプは使用せず、ボトリングに至るまで完全に無添加。マーガレット・リヴァーの比較的温暖な気候を考慮し、なんとオーク樽さえも一切所有していません。
妥協せず生きているワインを追求
「最近はナチュラルという言葉が独り歩きしているように感じることも多いけど、僕のワインは Living Wine、つまり”活きているワイン”なんだ。僕はこの美しい自然から、まさに活きていると感じることができるワインを、できる限り高品質に造りたい。そのためにできることがあるのなら、一切の妥協はしないよ」と語るサムが今後どういった境地に至っていくのか、楽しみでしかありません。
※インポーター資料より抜粋